私の足は26.5cmではなかった。
私はずっと、自分の靴のサイズは26.5cmだと思っていた。
特に根拠があったわけではない。
これまでいろんなメーカーの靴を履いてきて、だいたい26.5cmでちょうどよかった。
だから僕の中では、
「自分の足=26.5cm」
だった。
ところが最近、某アメリカメーカーのランニングシューズで長時間走ると、膝に少し違和感が出るようになった。
そこでアシックスのお店に行って、靴を見てもらうことにした。
店員さんから勧められたサイズは、
「26.0cm、4E」。
いやいや。
26.0?
私、26.5なんだけど。
正直、一瞬「この店員さん大丈夫?」と思った。
これまで何足も靴を買ってきた。
メーカーが変わっても、だいたい26.5cm。
だから、店員さんから「26.0cm」と言われただけだったら、おそらく僕はその靴を買っていなかったと思う。
でも、そのお店には足を3Dで計測する機械があった。
実際に測ってみると、どうやら26.0cmで、しかも僕の足は幅が広いらしい。
半信半疑のまま26.0cmの4Eを履いてみた。
「これ、本当に26.0?」
窮屈じゃない。
むしろ、かなりしっくりくる。
その靴を買って、実際に走ってみた。
快適だった。
そして、それまで感じていた膝の違和感も出なかった。
このとき、ふと思った。
人間の「思い込み」って、結構強い。
私の場合は、
「今まで26.5cmで問題なかった」
という経験があった。
一度や二度ではない。
何度も26.5cmの靴を買ってきた。
だから「自分の足は26.5cm」ということを、いつの間にか疑わなくなっていた。
考えてみれば、仕事でも同じようなことはよくある。
Webサイトを見て、
「このページは結構見られているだろう」
と思ってGoogle Analyticsを確認すると、全然見られていなかったりする。
逆に、
「ここはあまり見られていないだろうな」
と思っていたところが、意外と見られていることもある。
技術もそうだ。
「これが一番いい方法だ」
と思って使っていたものが、新しい技術の登場によって、いつの間にか古いやり方になっていることもある。
もちろん、経験則は大事だと思う。
経験を積むからこそ、毎回すべてを一から調べなくても、「たぶんこうだろう」と判断できるようになる。
仕事をするうえでも、経験則には何度も助けられてきた。
だから、経験則を捨てた方がいいとは思わない。
ただ、
経験則は、正解とは限らない。
それくらいの距離感で持っておくのが、ちょうどいいのかもしれない。
「自分はこうだから」
「今までもこうだったから」
「これが一番いい方法だから」
そう思ったときに、たまには本当にそうなのか確かめてみる。
違っていたら、更新すればいい。
私の靴のサイズが、26.5cmから26.0cmになったように。
さて。
僕にはほかに、どんな思い込みがあるんだろう。
たぶん、自分では気づいていないから「思い込み」なんだと思う。
みなさんにも、
「ずっとそうだと思っていたけど、実は違った」
そんなこと、ありませんか?
P.S. そして次の日、Amazonで同じ靴の色違いを購入した。